「極・メイド・イン・ジャパン」
「五郎と契りを結べば完結だ、前回は戦時中の転生で主人は特攻隊となって死んだが」
そう思ってクロフィは五郎を見る。
「なっなんだよぅ」オドオドする五郎
「こりゃ大丈夫だ、ゆっくりと仲良くなって・・・契りを」
心に余裕の出来たクロフィ、家事をザッとやるとゲームに夢中。
「じゃあ僕は学校行ってくるから、またね」五郎は出かけて行った。
(給料で買ったが、弾幕という言葉の美しさは名ばかりか!こんなゲーム攻略できるのか?)
「がーっ!また死んだ!」イライラするクロフィ。
クロフィは自室へ向かう。
給料も待遇も良い、部屋にはベッド、エアコン、インターネットに接続されたパソコンが有る。
「そうだ、ネットでボクシングを教えてくれと掲示板に書いたな、見てみるか」
「えーと、なになに?《>>1 ググれ》だと?意味が分からんと書いておこう」
30分後
「そろそろ何か書き込んでるであろう・・・えーと・・・何だこれは?クマが釣り針に引っかかってる絵があるだけではないか、クマーって何だ?」
「楽しいが、謎の多い世界だな。とりあえずクマはキライでは無いが、趣旨が違うと書いておこう、あと一つ現代用語を知っているから書こう」
「がんばるお ってのは知ってるんだがな、頑張るぞって意味だよな・・・。まあいい」
クロフィはゴスロリの格好のまま外出をした。
(ボクシングに興味があるぞ、本でも買うか・・・本は古書に限る。節約になるからな)
「古本と書いてあるな、ここでいいだろう」
入ろうとすると、男が声をかけてくる。
「あの・・・コスプレかな?」男は方からカメラをかけている。
「コスプレ?何だそれは」
「あーっ、いいキャラしてる!一枚撮らせてよ」
「写真を撮るのか?」
「いいでしょ?撮らせてよ」
「魂は抜けないのか?」
「抜けるわけないよ、徹底したキャラ作りだなぁ」
「何にせよ、つまらんので行かせてもらうぞ」
「あー待って!この古本屋入るんでしょ?二冊くらいなら買ってあげるからさ!ハァハァ」
「そうか、じゃあ撮れ」
「ポーズとってよ」
「よし、とるぞ」
「・・・何で敬礼してるの?」
「前世でのポーズだ」
(痛いコだ)カメラ男は黙って去って行った。
「何だ、バカか、時間を損したではないか」
クロフィは店に入る。
「何と分かり易い、ボクシングの絵が入った本があるぞ、しかし何で上半身裸なのだ?」
不思議に思いながらクロフィは本を買って家に着く。
勿論、それはフェチ同人誌だった。
「ほほう、やはりマウスピースは吐き出すモノでは無いか、五郎のバカめ、しかも匂いを嗅いで臭いとか書いてあるぞ」
クロフィは夢中でぶっ通しで読んだ。
「・・・濡れたではないか・・・ボクシングとはこういうモノなのか?」
クロフィは濡れた股間をティッシュで拭く。
「うわ!今世の体はこんなに濡れるのか!必要無いぞ!」クロフィはさらにティッシュを取ってフキフキと股間を拭いた。
「!」
クロフィは人の気配を感じた。
天井を見る。
一人の女性が張り付いている
「お前か・・・今世も頼むぞ」
「はい、あなた方が呪いを解かなければ私も転生を繰り返さなければなりませんので」
「悪いな・・・私達に斬首を命令した者が悪いのだと訴えただけなのにお前も転生しなければならないのだからな」
「はい、しかし今世の体は絶好調で御座います、このように逆に天井に張り付く事も可能でした」
「そうか、頼もしい・・・が・・・今の私の失態を見たのか?」
「濡れるのは悪い事では御座いません・・・」
「そうか・・・そうだよな・・・ハハハ」クロフィが強がりのように笑う。
(淫臭が凄いですけどね)
「何か言ったか?」
「いえいえ、何も申しておりません」
「とりあえず降りろ、ずっと逆に張り付いておったのだろう」
「ハハハ、仮にも忍者の末裔、これくらいでは・・・あ・・・鼻血」
ドタッと転落する女性。
「ざまあ無いな、それで今世のお前の名前は?」
「熊谷 みちる(くまがい みちる)です」
「そうか、まあとりあえずティッシュで鼻血拭け」
「はい・・・ってこれベトベトしてますね」
「あ・・・すまん、股間を拭いた奴だった」
「あーいいですね!」
「お前の同性好きは今世になっても治らないのか」
「はい♪ついでに舐めていいですか?」
「好きにしろ」
「ありがとうございます♪」
「・・・」
「量が確かに多いですねぇ」
「あのさ」
「何で御座いましょう?」
「・・・苦かったりまずかったりしないかな?」
「しょっぱいです、おいしいですよ?」
「そうか・・・」
「はい、美味です」
「そうか・・・」
「はい」
「そうか・・・」
「それよりクロフィ殿、今世では大変な事になっております、あまり楽観的にならないように!」
「今回は楽そうだが?」
「今夜あたりに、クロフィ殿とバレン殿にお話いたします、もう一人はまだ見つかっておりませんが・・・」
「分かった、お前がいて助かる」
「では!」
みちるは天井へ飛び乗った。
その後、降りて来て歩いてドアから出て行った。
「天井に飛び乗るプロセスが意味わからん!」クロフィは一人で頭をかかえた。