「絵里さん、チサさん?」

二人はこっそり、いつものようにプレイしようとしていた矢先、ドキッとした。

「あ、市村 塊(いちむら かい)さん!」チサが声をあげた。

「そう。塊ちゃんでいいよ・・・それよりあなたたち有名だから・・・」

さらに絵里とチサがドキッとする。

「女子ボクシング部が無いから、自分達でも邪魔にならないように練習してるって・・・有名よ?」

「何か御用ですか?」絵里が少し強気になって言う。

「ちょっと言い方キツイよぉ」チサが止めに入る。

「ふふ・・・ごめんね」塊は予想外な絵里の反応に、顔を反らせてリングの周りをぶらぶら歩き始めた。

塊はこの学校で、きりっとしつつロリ顔を残して、胸は大きくて多くの男子の性的な的になっている。

「私もやってみたいなぁ・・・」塊はリングのロープをゴシゴシと手で拭きながら呟いた。

「絵里ちゃん、いっしょにやってあげない?」チサは小声で言った。

「やってもいいけど、チサは私のモノよ?」チサを振り返る顔が怖い。

「じゃ、私とやろうか、でも、今日、急に言われたからちょっとだけ・・・ね?」

「ありがとう、えと、絵里ちゃんかな?」

「うん、私が絵里」

「カワイイな」

「え?」

「いや、こっちの事だよ・・・」

「着替えてくる?」

「うん、着替えてくる、体操服でいいんだよね」

塊は更衣室に行った。

「チサは私のものだヨ」

絵里は繰り返してチサに言った。

うん、うんと無言でチサは頷いた。

少しすると、塊が更衣室から出てきた。

胸が大きい、Dカップはあるだろう。

ソレを見て、チサは自分の体操服の胸のあたりを撫で回した。

(私って胸ないなぁ・・・もっとホシイ・・・)

「さあ、じゃ、私とちょっとやろうか?」絵里がリングの上で待っている。

「うん、急にごめんね」

「あ、初めてだったらマウスピースは?」

「あるよ、じゃーん」隠していた左グローブから、塊はマウスピースを出した。

「これを、あーんってするんだよね」塊が言いながら、カプリと咥える。

その後、微調整をして歯にきちんとはめた。

絵里の股間が、じゅん。とした。

(狙ったように咥える・・・ちょっとキちゃったじゃない)

そう思った瞬間、チサがゴングを鳴らした。

カーン

「えと、ジャブ!」塊のジャブ。

ビシッ!ビシッ!

絵里の顔が痺れる。

(パンチ力がけっこう強いな・・・じゃあ私も)

ビシビシッ!絵里もジャブを打つ。

(うわっ!これがジャブを打たれたカンジか・・・私より早いカンジがする・・・)

「もういっちょ!」

そう言うと、回避の為か、塊はドタドタと走って逃げる。

「あ、あははははは」その姿に思わず絵里が笑う。

「笑わないでよぉ・・・いきなりプロみたいにスッスッって動けないもん」

「あはは、ごめんごめん、こうやってやるんだよ」

絵里はそう言って、スッ、スッとリングの上を滑るように移動する。

「すごーい!」

「練習しなきゃね!」

「私は当分これで逃げるね!」ドタドタと塊が走る。

「そんなに必死に走らなくても・・・くくくく・・・」絵里にちょっとツボったようだ。

「うおっと!」塊が転びそうになる!それを絵里が受け止めた。

「ドタドタ走るからそんなに・・・」絵里は言いかけて止めた。

キョロリとした可愛い目がうるんで、頬は少しピンクに染まって絵里の顔を間近で見ている。

(あ・・・キスできそうな距離だ・・・)絵里はドキッ!と心臓が反応して、バクバクバクバクと鳴り出した。

「あ・・・今日はこのくらいにしとく?」バッとふりほどいて絵里が言う。

「・・・ドキドキしちゃった・・・」塊は正直に言った。

「え?ドキドキ?これはちゃんとしたボクシングのれんしゅう・・・」そこまで言って塊が口を挟んできた。

「有名っていうの・・・嘘・・・」

「え?」

「こっそり前に二人で打ち合いしてるのを見て、私もまざりたいなって思って・・・」

「見てたの!?」絵里の顔がカーッと赤くなる。

「ビデオに撮ったり、そんなのはしてないよ?ただ・・・ただね・・・」塊の顔がどんどん真っ赤になる。

「ただ?」絵里は言葉を返すが、もう何を言いたいか判っている。

「イかないと・・・帰れない・・・その為に来たから・・・」

「そう・・・なんだ」そう言って絵里はチサの方を見る。

チサはおあずけを食らった犬のように悲しい顔をしている。

「チサ・・・試合・・・塊ちゃんとする?」

ウン、ウンとチサが頷く。

「じゃあ、塊ちゃん・・・チサの相手してやって・・・二人がイけるまで頑張って」

「ありがと・・・もうスケベな男子の目に嫌になっちゃって・・・私・・・ヤリマンとかまで言われちゃうようになっちゃったから・・・」

「レズでいいよね?」絵里が確認して来た。

「レズがいい・・・もう・・・疲れちゃって・・・」

「じゃあチサ、がんばってね」絵里はゴングを鳴らした。

「チサちゃん、私ね、男子に腋毛ボーボーとか、オッパイの乳輪がでかいとか・・・色々言われてきたから、今見せるね」

塊がブラジャーまで外して、トップレスになった。

「ほら」

右手を挙げる塊の脇には腋毛が・・・そして乳輪は大きかった。

「その通りだったの・・・でも見せたのはチサちゃんが始めて・・・」

バクバクバクバクッとチサの心臓が動き出した。

「こんなの見て、落胆しなかった?」

チサは黙って首を左右にぶんぶん振った。

「ひょっとして・・・私のおっぱい見て興奮した?」

今度は縦にぶんぶん振った。

「興奮したんだ・・・チサちゃん・・・じゃあ、おっぱいごと滅茶苦茶にして!」塊が叫んだ。